事故多発現場での安全策提案 光と音で安全確認を強化

緊急時には無線で作動を緩慢化

株式会社六共は 解体作業時の安全な作業システムを考案しました。

高所での階上解体でも効果を発揮することから、手順や各種装置などを確定させ、公的な認知度も高めたい―と、特許を取得しました。

全国的に3階建て以上のビル解体作業現場=写真上=では、近隣住宅の破損や通行人に対しての事故、重機の横転や作業員のけがなど、様々な事故が多発している。同社も一昨年、解体作業時に労働災害があった。そのため、より確実に安全性を確保するため解体手順の見直しをはかったところ、重機を操縦するオペレーターが視認できないところで惰性作業を行うといった問題点が浮かび上がってきた。そこで、光や音を発信したり、無線などを使った監視体制の効率化を図ることを整理した“安全策”を考案し、特許申請を行った。

▽ 建設機械の行動半径に立ち入り禁止の柵などが設けられない場合、重機にLEDランプを設置して、作動時は赤、停止時は青というようにコントローラーの動きを視覚化する
▽重機のオペレーターと重機周囲について見張る監視人と、視認外にいる通行人をガイドする誘導員とを無線でつなぎ、音や声で動きを知らせ合う
▽重機にはバックモニターをつけて監視する
▽緊急時には、重機に組み込んだ緊急緩動させる安全装置をオペレーターもしくは監視人が無線で起動させ、巻き込み被害を防止する、などの仕組みをまとめた。

また、階上での安定した仕事
を確保するため、特殊な構造の鉄製足場も考案した。
長さ8mで、幅は0・8mと0・6mの2種類があり、中央の1点で35t、もしくは40tの荷重に耐えられるという。支えるポストが省略できるため、経費の節約のほか、見通しも良くなって安全性も増します。