「家屋への感謝を伝える機会に」
福山解体工事業研修協議会の会長も歴任する粟木原明人会長はこのほど、解体前に神前での清めをより細やかに斉行することを決め、安全祈願や家屋への感謝の気持ちを伝える機会としたい、と呼び掛けています。
解体業を営む六共商会㈲として昭和50(1975)年に創業。数多くの解体現場に接してきた粟木原会長は、解体される家屋に対する思い入れや愛情が薄くなってきたように感じることが多くなったと話しています。
新型コロナウイルス感染症が世界で猛威をふるう中、日本でも新たな生活様式の中で暮らしていく必要に迫られており、
その中で、〝物を大切にする〟〝心を物と通わせる〟〝物への感謝の気持ちを持つ〟といった日本古来の考え方に立ち返り、互いに支え合う世の中にしていく必要があると実感したそうです。
「昔から井戸には水の恵みを与えてくれる神様が宿っているとされ、古井戸があるときには埋める前に必ず『井戸祓い』の儀式を行っています。
それと同じく、家屋に対しても感謝を捧げる機会を作りたいと思い、提案しています」と話しています。
天恵堂
福山市加茂町北山山頂に福利厚生のための施設「天恵堂」を持っており、その一隅に天照大御神の神棚を設け=写真、解体工事に入る際に現場でお清めを行い、当家の心柱の一部を持ち帰って神棚に祭ってお祓いを行います。
粟木原会長は「ただ解体工事を行うのではなく、これまで自分達を守り育ててくれた家屋に感謝をし、後への後悔がなく、節目として心の区切りを付けるお手伝いができれば」と話しています。