福山解体工事業研修協議会 解体費用捻出困難者の相談受付 空き家問題解決に向けて第一歩

福山解体工事業研修協議会(粟木原明人会長、上野藤之幹事長、協議会本部=電084・972・4101、事務局=電同973・1438)はこのほど、同市内で空き家の解体に悩む人を対象とした相談窓口を設けた。どこに相談すればよいか、費用の捻出についてはどうすればよいかなどの困りごとを解決したいとしており、市にも要望を上げて解決に向かうよう努力するので危険な状態で放置しないように―と、呼びかけている。業者側からのこうした働きかけは、全国的にも珍しいという。なお同会は、㈱六共(福山市加茂町下加茂921―7)の粟木原明人社長と㈱上野(同市西町1-7-11)の上野藤之社長の呼びかけで今夏スタートしました。

全国的に問題となっている空き家対策について、国交省は14年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を公布し、15年5月から完全実施した。広島県は14年6月5日に広島県空き家対策推進協議会を設立。適正な管理が行われていない空き家などについて、地方自治体と連携して住民の生活環境保全と空き家の活用促進を目指ます。

福山市でも15年12月に空き家等対策条例を制定し、16年4月1日から全面施行されている。適正な管理がなされておらず、倒壊など著しく保安上危険とみなされる場合は「特定空家等」とされ、立ち入り調査、助言、指導、勧告、命令、行政代執行という流れで措置が行われる。中でも「勧告」に至ると、固定資産税などの住宅用地特例から適用除外され、税負担が4-6倍に増えることになる。また、道路などにおいて緊急的な安全措置を行った場合、費用が所有者に請求されることもあります。

空き家を処分しない理由として、福山市内の空き家所有者など3781件を対象にした市の調査(2095件・1091者が回答、3つまで選択)では、「相談先・賃貸売却先がいない」という回答が614件(29・5%)とトップで、「解体費用の捻出が困難」との回答(388件=18・5%)が続いている。ほかにも「大規模な修繕をしないと使用できる状態ではない」(13・6%)、「更地にすると固定資産税等が高くなる」(13・1%)との回答も多かった。
 粟木原会長の話「もしも倒壊し、人的被害が生じたら取返しがつかないことになる。死亡や転居などで管理できない場合でも、司法書士や弁護士などと相談して落としどころを決めます。危機的な状況であれば、市に対して補助金などを陳情し、また社会貢献の一環として私達もできる限りの奉仕をして、問題解決を図ります。会員業者は建設業法及び産業廃棄物処理法に基づき、安心安全な分別解体工事を責任もって請け負います。お気軽にご相談ください」。